株式会社エコニクス
R&C部 篠塚 正一
LCA(Life Cycle Assessment)とは、製品やサービスに関して原材料の採掘から 廃棄・リサイクルに至る全ての段階で与える環境への影響を、定量的に評価する手法です。そして、その評価結果に基づき、製造工程や製品設計の改善、原材料の選択、輸送手段の選択などを行い、ライフサイクル全体で環境に与える負荷を低減させることを目的としています。
LCAの歴史
1969年:米国でのコカコーラの飲料容器に関する環境影響評価。リターナブルビンと使い捨てボトルの比較。
1970年:米国で様々なLCAが実施され始める。
1979年:米国の化学関係者を中心にしたSETACという研究ネットワークが、化学薬品の製造、使用段階でのリスク解析を行う。
1984年:スイス連邦内務省環境局が「包装材料のエコバランス」という報告書を発表。
1985年:EC環境委員会は「液体容器政令」を可決。EC加盟国内の企業に容器に関 する資源エネルギー利用の監視を義務付ける。
1990年:欧州プラスチック製造協会がプラスチックに関する研究グループを組織し、包装材料に関してエコバランスを発表。
1991年:SETACとライデン大学(オランダ)から、LCA実施手法とマニュアルが発表される。日本ではプラスチック処理促進協会が旧通産省の補助金によって、容器包装材のLCAを実施。
1992年:米国環境保護庁からLCA実施手法とマニュアルが発表される。
1995年: LCA日本フォーラム発足。旧通産省の指導のもと産官学250組織が参加。
1997年:ISO14040(LCAの原則及び枠組み)が発行される。順次、国際規格として発 行されている。
1998年:日本でLCA国家プロジェクトが発足。5ヵ年計画でLCA手法、データベース、ネットワークシステムの開発を実施。
このように、日本においても遅ればせながら国家予算でLCA研究がスタートし、 2002年には公開され、いろいろな形で利用されることが望まれます。