株式会社エコニクス
環境事業部 生活環境チーム 本間 義規
貧血の原因の一つとして、鉄分の不足があげられますが、鉄分はいったいどれだけの量を摂取する必要があるのでしょうか?さまざまな栄養素をどの程度摂取すれば良いのかといったことについて、厚生労働省より「日本人の食事摂取基準(2010年版)」が公表されています。この中で鉄分の推奨量についてみると、年齢などによって値は変わりますが、成人男性で1日あたり7.0~7.5mg/日、成人女性で10.5~11.0mg/日とされています。
では実際にどれだけ摂取されているかというと、同じく厚生労働省から出されている「国民健康・栄養調査」に記されています。このなかで鉄分についてみると、成人男性で7.5~9.2mg/日、成人女性で6.5~8.6mg/日となっており、特に成人女性で不足しているのが現状です。
もっと鉄分を補給しなければなりませんが、普段の食事で何を食べれば鉄分を補給することができるでしょうか?ほうれん草が真っ先に思いつくかもしれませんが、ほうれん草だけでは十分とはいえません。というのは、鉄分には植物性の『非ヘム鉄』と動物性の『ヘム鉄』があり、非ヘム鉄は体内への吸収がされにくく、逆にヘム鉄は吸収されやすいのです。このことから効率よく鉄分を摂取するには動物性のヘム鉄、つまり鉄分を多く含む肉を食べることがポイントとなります。
とはいえ、肉を多く取ることに抵抗を感じる方もいるかもしれません。そんなときにおすすめの素材が、実は北海道にあります。それはエゾシカです。
エゾシカ肉は鉄分を豊富に含んでおり、しかも高タンパク低カロリーな素材です。釧路短期大学の岡本准教授の研究によると、エゾシカに含まれる鉄分は100g中6.0mgで、一般的に鉄分を多く含むと知られている食材よりも遙かに多くなっています。また、脂質についてみても肥満症などの食事療法にも使用されている鶏むね肉やささみと同じくらいの量となっています。
ただ、エゾシカ肉は普段あまり見かけないかもしれませんが、意外と身近なところで売られているかもしれません。昨年9月には『毎月第4火曜日は「シカの日」』オフィシャルサイトがOPENし、エゾシカをもっと食べてもらえるようPR活動が展開されています。
こちらのサイトではシカの日参加店が紹介されており、2012年1月現在で217店あります。この他、エゾシカ料理のレシピも紹介されていますので、お店で食べたり、おうちで料理したりいろいろ試してみてはいかがでしょうか。