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2006.08.01
ECONEWS vol.158

調査現場中に出会う危険生物~植物編~

 株式会社エコニクス
環境事業部 陸域環境チーム 山越 千鶴

 調査中に出会う危険な植物といえば、まず刺のある植物です。代表的な刺のある植物にイラクサ類やハリギリ等があります。

 イラクサ類とハリギリ等は刺の形が違っており、刺さったときの痛さもまた違います。前者は細かい毛に葉や茎が覆われ、触れるとチクチクしたなんとも言えない痛みが広がり、赤く湿疹のようになることもあります。例えて言うなら、桃の毛が強力になった感じでしょうか。後者は、バラの刺のように大きく固い刺です。地面に躓き転倒しそうなったとき、このような刺のある枝を思わずムギュッと握った時には、あまりの痛さにウルッと涙が出てきます。

 これらへの対策は、長袖を着たり手袋をする等なるべく皮膚を覆うしかありません。イラクサ類は集まって生育していることも多く、そのような場所を歩くと刺はズボンの上からでも刺さってきます。なので、私たちは「プロテクター」という林業屋さんが使用する前掛けのようなものをズボンの上に履いて、山を歩いています。お尻の部分がパカッと開いているので、暑くても蒸れず、夏でも快適です。

 また、かぶれる植物も厄介です。有名なものに、ウルシがあります。特にツタウルシは、個体数も多く、またかぶれの原因となる成分(その名も、ウルシオール)が揮発するため触れなくてもかぶれてしまいます。

 ツタと言っても樹に巻付くだけでなく地面一面に広がっていることもあり、そのような場所での芽生えの調査の時などは、覚悟を決めて地面にへばりつき、ウルシの茂る中に手を突っ込み、顔を突っ込み、黙々と調査をします。当然数日後には手をボリボリと掻き毟り、顔を赤く腫らしながら出社することになります。故に、女性調査員にとってツタウルシは天敵です。アレルギー反応ですので、触れた箇所が手や顔だけであっても、お腹や足、全身に広がることもあります。ただ、かぶれ方には個人差があり、全くかぶれない人もいれば、ウルシのある林に入っただけでかぶれてしまう人もいます。

 対策は、これもまた手袋や長袖で皮膚をできるだけ覆い、ウルシに近づかないことです。また、触れてしまった部分をよく洗い流すこと、抗ヒスタミン剤を塗ることが有効です。症状がひどい人は医者にかかったほうがよいでしょう。植物屋泣かせのツタウルシですが、紅葉の時期には真っ赤に染まり、なかなか見ごたえのある美しい葉となります。

 次回は動物編です。

   
林床一面にエゾイラクサ          ツタウルシ          ハリギリ