ECO TOPICSエコニクスからの情報発信
エコニクスからの情報発信
2002.02.01
ECONEWS vol.104

イベントリー分析の具体例

株式会社エコニクス
R&C部 篠塚 正一

 どなたでも購入できる書籍として化学工業日報社発行「ライ フサイクルアセスメントの実践  環境負荷低減を目指して  環境省企画調整局環境研究技術課監修  社団法人環境情報科学 センター編」があります。これにはケーススタディとして

(1)PETボトルのリサイクルの取扱及びリサイクルによる環境負荷低減効果について
(2)全自動洗濯機の材料変更による環境負荷の定量比較について
(3)電力供給における発電プラントの建設と燃料の採掘から搬入に至る全ての過程で投入しているエネルギーと発電で生産するエネルギーの比較について

が示されています。同書にも書かれてあるとおり、このケーススタディはLCAの実 施上の示唆と手法上の課題について理解を深めていただくことが目的です。 また、社団法人産業環境管理協会では「製品環境定量情報(TypeⅢEco- Label)JEMAIプログラム」で平成12年9月から試行しています。ここでは種々の産業 界から参加がありそれぞれの製品や事業の環境定量情報が公開されています。

 実際に計算してみたい方には独立行政法人物質・材料研究機構材料研究所エコマテリアル研究チーム原田先生のエコマテリアル設計者・開発者のためのデータバンク「予備的LCAのための4,000品目の環境負荷」でできます。ただし原田先生の説明をしっかり読んでデータの取扱いを誤らないようにしなければなりません。

 他には産業技術総合研究所ライフサイクルアセスメント研究センターでLCAについて詳細に紹介されています。

最後に
 LCAはようやく研究段階から実践段階に移りつつあることは理解いただいたと思 います。地球環境の保全と資源枯渇の回避は、地球に生きるものの使命であり、次世代への「人類の持続的発展」という命題に対して全ての人々が自らが加害者であるとの認識に立ち、商品の選択からライフスタイルの見直しに至るまで「ライフサイクル的考え方」に基づき、環境により良い選択を心がけることが必要になってきました。ぜひ読者の方々はLCAを生かしていただきたいと思います。