ECO TOPICSエコニクスからの情報発信
エコニクスからの情報発信
2012.06.01
ECONEWS vol.228

カテキンとは

株式会社エコニクス
環境事業部 試験分析チーム 白土` 悠

 カテキン(3,3’,4’,5,7-ペンタヒドロキシフラバン)はポリフェノールの一種であるフラボノイドで、樹木の皮や幹に多く含まれています。一言でカテキンとは言われておりますが、数十種類のカテキンが存在しており、一般に言われている茶カテキンとはその中の8種類(カテキン、エピカテキン、カテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピガロカテキンガレート、ガロカテキン、エピガロカテキン)のことをいいます。全般的にカテキンは渋味のあるものですが、物質によって渋味が強いものや苦味が強いものがあります。所謂お茶シーズンの始めに登場する新茶(一番茶)というものは、渋味や苦味が強いエピガロカテキンガレートやガロカテキンガレートの比率が高い傾向にありますが、茶カテキンの総量が二番茶や三番茶に比べ少なくなっており、渋味や苦味が少なくなっています。
このカテキンが、どのような効果が期待できるかというと『血圧上昇抑制作用』、『血中コレステロール調整作用』、『血糖値調整作用』、『抗酸化作用』、『代謝促進作用』、『抗癌作用』、『抗菌作用』等様々なものがあります。抗癌作用はカテキンの中でもエピガロカテキンガレートが特に強い活性をもっていることがわかっています。

 また、お茶には緑茶、ウーロン茶、紅茶と種類があります。これらの違いは茶葉の違いではなく、茶葉の発酵度合いの違いにあります。発酵していない緑茶、やや発酵しているウーロン茶(黄茶)、かなり発酵が進んでいる紅茶といった感じです。では、中に入っている成分はどうなっているかというと、発酵が進むに連れて茶カテキン量が減少していきます。しかし、茶カテキンが消滅しているわけではなくカテキン同士が重合したテアフラビンやテアルビジンといった物質になっています。これらの物質も機能性物質としての役割は果たしますので、活性がなくなるわけではありません。
はっきりとした因果関係は明らかにされていませんが、諸国では緑茶抽出物製品の摂取との関連が疑われる健康被害の報告があるようです。日本においてはカテキンによる健康被害の報告はありませんが、一度に過剰摂取することはリスクが無いと言い切れませんので、気をつけた方が良いかと思います。無理した摂取をせずにお茶をおいしく召し上がりましょう。