北海道を取り巻く海は、コンブ、ホタテ、サケ、サンマなど多様な水産資源を生み、地域経済の基盤となり私たちの食卓に当たり前のように並んでいました。これら水産物が今後は食べられなくなる可能性があるかもしれません。
株式会社エコニクス 電力環境部
泊発電所担当チーム 竹田 尚弘
この春、弊社では新入社員2名と顧問1名をお迎えし、皆様のご要望にお応えすべく新体制で動き始めております。
春と言えば桜を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?本投稿執筆時である4月中旬の報道では、札幌の桜開花予想が4月20日頃とされており、例年と比較すると「非常に早い」開花予想となっているそうです。札幌の桜の開花はゴールデンウィーク中だったと思います・・・
最近は、地球規模での温暖化の環境変化がニュースで取り上げられているため、皆様のお耳にも入っていることと思います。この環境変化は陸上に留まらず海中にも起こり始めています。
前号に引き続き、北海道周辺の海で起こっている現象をお伝えします。
気象庁の長期観測によれば、この50年ほどの期間、日本周辺海域の海面水温は一貫して上昇しており、北海道周辺も例外ではありません。場所によっては過去約100年で1℃以上の海面水温上昇が確認されているそうです。この水温上昇は、地球温暖化に伴う大気中二酸化炭素濃度の増加が主な要因とみられています。
水産庁の水産白書では、近年のサンマ、スルメイカ、サケの漁獲量の大幅な減少について、海水温の上昇およびそれに伴う海流変化により、分布域や回遊経路が変化したことが主な要因と整理されています。特に北海道の重要な水産資源の1つであるシロザケは、稚魚が沿岸で成長する期間の水温上昇により生残率が低下し、回帰率が著しく下がっていることが報告されています。
一方で、ブリやサワラといった南方系魚種が北海道沿岸で多く確認されるようになっており、これも海水温上昇に伴う分布域の北上が要因とされています。
また、水温上昇以外にも、海洋酸性化の問題も深刻さを増してきているとされ、日本周辺海域の表面海水pHは右肩下がりで低下しており、pHの低下は条件次第でホタテガイやウニの幼生に影響が出る可能性が危惧されています。
ホタテガイは北海道の主要水産物の1つであり、夏季水温上昇が生残率や養殖適地に影響を与えることも研究成果で示唆されており、これは将来の産地構造そのものが変化してしまう可能性を意味しています。

このような不漁や魚種の変化は、漁業者に深刻な影響を与え始めており、北海道内の漁業者からは、「漁場の沖合化」「盛漁期の遅れ」「藻場の縮小」などの変化が多数報告され始めています。 一方、2024年3月6日にエコニュース号外として発行させて頂いた「ニシンがきた!」のように、沿岸自治体や漁業関係者の地道な資源管理が実を結び資源量回復の兆しが見え始めている点もあります。
創業以来、弊社は北海道を主フィールドとして様々な調査を実施し、そこで得たデータと知識を有しております。また、調査を通じ行政、研究機関、漁業者等の関係機関との関係も築いており、皆様の「なぜ?」にお応えする体制を整えております。
皆様の身近で起こっている「なぜ?」がありましたら、まずはお気軽にご相談頂ければと思います。
参考資料
気象庁・文部科学省「日本の気候変動2025」
https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/ccj/index.html
水産庁「令和6年度 水産白書」
https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/R6/attach/pdf/250606_1-21.pdf
JAMSTEC(海洋研究開発機構)プレスリリース(2024)
https://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/2024/
