株式会社エコニクス
R&C部 篠塚 正一
1.目的と調査範囲の設定
LCAの調査をどのような目的のために実施するのか、その背景や理由を明確にし、前提条件や制約条件を明確にする段階です。
2.インベントリー分析(製品システムと環境との境界を出入りする物質を書き出す)
LCAの基本となる部分で、現在公表されている事例はこの段階までのものがほとんどです。製品のライフサイクル中の各工程に対する環境負荷データ、すなわちインプットデータ(投入エネルギー、資源等)、あるいはアウトプットデータ(二酸化炭素等の環境負荷物質の排出)をライフサイクル全体で算出・推定する段
階です。インベントリー分析には大別して下記の二つの方法論があります。
① 積み上げ方式 欧米で行われているLCAで、製品のライフサイクルのプロセスフローを作り、そのフローへのインプットとアウトプットデータを地道に一つずつ調査し、各環境負荷項目毎に負荷量を合計していく方法です。
② 産業連関表方式 旧総務庁が中心となって関係する省庁の共同事業として、国民経済において一定期間(通常1年間)に行われた財貨・サービスの産業間の取引金額を一覧表にしたもので5年毎に作成されています。この金額と各産業毎の石油消費統計等を組み合わせて、ある消費財における環境負荷物質を一括して計算する方法です。
3.インパクト(環境影響)評価
インベントリー分析で得られた結果を「地球温暖化」や「オゾン層破壊」等の環境影響項目に分類し、影響の程度を評価します。この段階は国際的にもまだ研究段階です。
4.結果の解釈
インベントリー分析やインパクト評価の結果から、影響や改善点等を検討する段階です。
5.報告書
6.クリティカルレビュー(適合性審査)
実施されたLCAがISO要求事項への適合性を審査する段階。外部に公表する場合はこの手続きを実施したほうが確実です。