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エコニクスからの情報発信
2026.04.01
ECONEWS vol.394

流氷減少と海の変化

春の訪れが早まるなか、気候だけでなく海にも変化が現れています。

株式会社エコニクス 電力環境部
海域環境チーム 武田 史絵

 今年は例年に比べて雪解けが早く、北海道でも一気に春の訪れを感じる季節となりました。街中ではすっかり雪が消え、気温も上昇し、例年よりも早い季節の移ろいを実感している方も多いのではないでしょうか。

 こうした変化は、私たちの身近な気候だけではなく、海にも現れています。
 オホーツク海では、今シーズンの流氷の面積が観測史上最小を更新したなど、これまでにない状況となっていると報道1)がありました。通常であれば3月頃にかけて広がる流氷が、今年は2月末以降縮小し続けており、専門家はシベリア側の気温上昇によって海を冷やす力が弱まっていることを要因の一つとして指摘しています。

 流氷の減少は単なる一時的な現象ではなく、海水温の上昇と密接に関係しています。
 今シーズンの詳細データは今後発表されると思われますが、昨シーズンの国立極地研究所の資料2)によると、2025年冬のオホーツク海の海氷面積は、1979年以降47年間の中で小さい水準でした。これは、2024年12月から2025年2月にかけて北極海周辺の気温が平年より高く、海氷が広がりにくかったことが一因とされ、地球規模の気候変動との関連が示唆されています。

 日本近海では、海面水温が長期的に1℃前後の上昇傾向にあり3)、漁業への影響も懸念されているなかで、道内沿岸ではかつて広がっていたコンブ藻場の減少が見られています。
 コンブなどの海藻は、海の中では「すみか」としての役割を担っており、藻場にはワレカラやヨコエビの仲間、ゴカイ類など、小さな生きものが数多く暮らしています。藻場の減少は、そこに棲む生きものにとってはすみかが失われる変化となり影響を及ぼします。さらに、こうした小さな生きものは、魚の餌となるなど、海の生態系を支える役割も担っているため、すみかの変化は、より大きな生きものにも影響を及ぼすことになります。

 春は、海藻が生長し、生きものの活動も活発になる季節ですが、環境の変化により、これまで当たり前だった景色も、少しずつ変わりつつあるのかもしれません。

 弊社では、環境の変化に目を向けながら、藻場の保全・調査に取り組んでいます。海域環境に関する調査やお困りごとがありましたら、お気軽にご相談ください。

引用文献
1)海明け毛ガニに異変?オホーツク海「史上最小流氷」が招く温暖化の悪循環と漁業への影響、最新調査で探る HTB北海道ニュース
 https://www.htb.co.jp/news/archives_36628.html
2)北極の冬季海氷域面積が衛星観測史上最小を記録 | 2025年度 研究成果 | 国立極地研究所
 https://www.nipr.ac.jp/info2025/20250418.html
3)気象庁 | 海洋の健康診断表 海面水温の長期変化傾向(日本近海)
 https://www.data.jma.go.jp/kaiyou/data/shindan/a_1/japan_warm/japan_warm.html