自然環境部 海域担当チーム
尾田 崇太朗
これまで藻場通信で注目してきたコンブにとって2月とは、芽生えの時期であり、最繁茂期にかけて急激に成長する時期です。現在はライブカメラ前の試験施設で目視確認ができるほど成長したコンブはまだありませんが、日々急成長していくため、ぜひこまめに見に来てください。
写真 2月中旬の試験施設
ところで、初めに皆さんは「ウニ」と聞いてどのようなイメージを思い浮かべますか?おそらく、「高級水産物」や「おいしい生き物」などのイメージを思い浮かべると思います。
しかしながら、vol.33で磯焼けの要因としてウニや巻貝の食害を紹介した通り、地域や海域によっては水産価値は高いがコンブを食べつくしてしまう「厄介な奴」と認識されていることがあります。海藻が食べられることが問題ではなく、「適度」を超えた食圧が問題で、この状態を食害と言います。
ウニは成長したコンブのような大きな揺れ動くものを忌避することが多いのですが、その一方で厚みが薄く、柔らかいものは、格好の獲物です。
写真 2月頃のコンブ幼体
冒頭でご紹介しましたがコンブにとって2月とは、芽が小さく、薄く柔らかい時期です。この時期にどれだけ「厄介な奴」からコンブを守ることができるかが磯焼け海域になるか、藻場を形成するかの分岐点となります。
そのため、当社ではウニフェンス(vol.21)をはじめとした、ウニの食圧からコンブを守るための技術開発にも取り組んでいます。
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