私たちエコニクスは、こんな想いを心に浮かべて仕事をしています。
人が生きていくための基盤は自然環境、いわゆる「自然資本」が支えてくれています。私たちはその恩恵を最大限に受けられるように、環境を「見て」、「知って」、そして、「活かす」ことで、地域が発展していくように力を尽くしたいと考えています。藻場再生を皮切りに、バランスが崩れた生態系に少しだけ手を加え、自然環境を元気にすることで人の生活も豊かになる、そのような事例を少しでも多く残せるように、そして、皆さまが抱えている様々な環境の課題の解決に少しでもお役にたてるように、研鑽を積んで参ります。
これまで同様、本年もご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。
株式会社エコニクス 環境事業部
小山 康吉
本年の干支は酉(とり)となりますが、日本国内で自然分布する野鳥の種類数は633種(24目81科290属)※1とされています。世界全体では約9,700種といわれていますので、全世界の約6%の野鳥がこの日本で観察できることになります。
鳥類の分布は海から高山帯までと幅広く、草原や森林、湿原、湖沼といった自然の中だけに限らず、人間が活動している農漁村部や都市部にも生息していることから、私達の身近な生きものの1つとなっています。
ところで皆さまは我が国の国鳥(その国を代表・象徴する鳥※2)が何であるかご存知でしょうか?
実はトキやタンチョウ、イヌワシといった日本を代表するような鳥ではなく、狩猟鳥にも指定されているキジ(Phasianus colchicus robustipes)が日本の国鳥に指定されています。
国鳥に指定されたのは1947年と古く、日本鳥学会により選定されました。主な選定理由は以下のように言われています。※3
① 日本固有種であり、日本の象徴になっている。
② 留鳥で1年中姿を見ることができ、また人里近くに生息する。
③ 姿態優美,羽色鮮やかで、鳥に関心を持つ人が好きになれる。
④ 大型で肉味が良い。狩猟の対象として日本では好適で、その狩猟はスポーツとして楽しめる。
⑤ 古事記・日本書紀といった古文献にすでにキジの名で登場し、また桃太郎に登場する動物として子どもたちも知っている。
⑥ オスの飛び立つ姿は力強く男性的、メスは「焼け野の雉(きぎす:キジの古名※4)」のたとえにあるように非常に母性愛が強い。
選定理由からも判るように、私達の生活に身近な鳥が意外なことに国鳥に指定されているのです。ちなみに北海道に生息しているキジは外来種であるコウライキジ※5であり、残念ながら国鳥のキジではありません。
私達はどうしても希少な鳥ばかりに目がいきがちとなりますが、普段の生活の中で観察することができる身近な鳥こそ、本来は注目していかなければならないのではないでしょうか。
当社の使命の一つである「自然と人間が共生する生態社会において、調和ある環境保全と利用開発」を目指すべく、2017年も野鳥と人間が棲みやすい環境づくりに貢献していきたいと思います。
<参考資料・ホームページ等>
※1:“日本鳥類目録改訂第7版(2012)”.日本鳥学会.
< http://ornithology.jp/katsudo/Publications/checklist7_contents/JPBirdList_7ed_ver1.xls >
※2:“国鳥 – Wikipedia”.ウィキペディアフリー百科事典.
< https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%B3%A5 >
※3:日本野鳥の会会報「野鳥」(1999)3・4月号(No.619)
※4:三省堂 大辞林
※5:“北海道ブルーリスト- 詳細内容 キジ”.北海道ブルーリスト2010.
< http://bluelist.ies.hro.or.jp/db/detail.php?k=02&cd=3 >