株式会社エコニクス
営業企画部 企画課 清田 健
我が国で利用されている資源のうち、循環資源の占める割合は約1割であり、この拡大が必要と前回述べました。さて、循環型社会白書によれば、平成10年度の廃棄物等排出量は616億t、性状別の内訳は多い順にバイオマス系、土石系、金属系です。最も多いバイオマス系については、半分以上が減量の後、最終処分という流れで処理されており、循環利用は4割にとどまっています。
バイオマスとは「生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの」とされ、廃棄物としては、有機性の汚泥、し尿、家畜ふん尿、動植物性残さ等が該当します。
1次産業が主要産業である北海道では、バイオマス系廃棄物が産業廃棄物の82%を占めます(平成10年度)。これらは水分が多いため、脱水・焼却等による減量化が処理の主流ですが、堆肥や飼料といった利用の可能性は少なくありません。また、焼却に伴う化石燃料使用と CO2排出も懸念されます。
道内の1次産業から排出される主なバイオマス系廃棄物の再生方法とその課題は表のとおりです。依然として循環利用率は低いのが現状であり、今後も処理の効率化や低価格化にむけた技術開発、集配システムの整備等が必要です。
民間の研究開発投資余力が低調であるなか、政府による積極的な刺激策が望まれます。昨年末に閣議決定された『バイオマス・ニッポン総合戦略』やその他の施策への期待をこめつつ、このシリーズを閉じたいと思います。