自然環境部 陸域担当チーム
米田 豊
昨今、クマの個体数が増加傾向にあり、クマの市街地出没や人身被害が大きな社会問題となっています。野外に赴く際にはクマに遭遇する確率も増えていると思われ、これまで以上に十分なクマ対策が必要です。そこで、分収林制度により弊社がオーナーを務め、自然共生サイトに認定された「エコニクスの森林」で、2026年6月12日に株式会社建設技術研究所様と合同で「クマ対策講習会」を開催しました。講師は、弊社社員で酪農学園大学環境共生学類野生動物生態学研究室出身の山下純平が勤めました。
本号では、この講習の内容をご紹介いたします。

🌲まずは、クマと出会わない対策
まず、行政機関等のクマ出没情報を入手し、出没頻度が高い地域では地元のハンターさんに護衛を依頼したり、場合によっては立ち入りを見合わせます。
現地に入った際には、クマとの鉢合わせが最も危険です。このため、クマ鈴やホイッスル等を鳴らし、大声を出して、人間の存在をアピールします。必ず複数名で行動し、クマの新鮮な痕跡(足跡、糞、食痕等)や気配(声や歩行音)に注意して、ヒグマがその場に執着している様子があれば、速やかに、そして静かにその場から離れます。
🌲もしも、クマに出会ってしまったら
絶対に避けるべき行為は、走って逃げることです。まずは、落ち着いてクマの様子を観察します。
距離が遠方で、クマが近づいて来なければ、ゆっくりと後ずさりして、静かに立ち去ります。突発的な動きや音はクマが興奮するので危険です。
もし、クマが近づいて来た場合は、岩や倒木等の上に乗り、腕を振って自分を大きく見せ、穏やかに声をかけます。それでも近づいて来たら、立木等を間に挟み、クマ撃退スプレーの噴射準備をして、ナタや棒等を手に取り、クマの攻撃に備えます。
クマが3~4mまで接近したら、クマの目と鼻にめがけてスプレーを一気に全量を噴出します。それでも攻撃を受けてしまったら、ナタ等で鼻づらを叩く等して応戦するか、うつ伏せに倒れ込んで首の後ろに手を回して保護する防御姿勢をとります。どちらの対応が良いかは、ケースバイケースであると思われます。
講習会では、パネルを用いて距離を測りながら、クマが接近する状況を疑似体験しました。また、専門家の指導の下に、練習用スプレーを使ったクマ撃退スプレーの噴射体験を実施しました。

弊社では、社内の若手を中心としたプロジェクトを立ち上げ、これまで培ってきた野生動物調査のノウハウを活かしながら、エゾシカやヒグマに対する新たな獣害対策の手法を提供することを検討しています。このような講習や獣害対策の取組にご興味のある方は、ぜひ弊社へご相談ください。
[1]参考:知床財団「ヒグマ対処法」. https://www.shiretoko.or.jp/higumanokoto/bear/
[2] ECONEWS vol.396「エコニクスが考える獣害対策のカタチ」. エコニクスが考える獣害対策のカタチ – 株式会社エコニクス
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