BUSINESSエコニクスの仕事

エコニクスの仕事

藻場造成・関連調査

タイムラプスカメラ

市販されているタイムラプスカメラ専用の水中ハウジングを独自開発しました。
タイムラプスとは、動く被写体を一定の間隔で連続的に撮影し、その静止画をつなぎ合わせて一つの動画にする機能です。
大量の静止画をつなぎ合わせることで、長期間に渡る変化を一瞬で見ることが可能になります。
ちょっと見ただけでは気づかないゆっくりとした変化、例えば風景の移り変わり、各種工作物の製造過程、動植物の成長等を記録する際によく利用されています。
当社は、各種水中施設やその周辺に生息している生物の状況をタイムラプスカメラで数カ月間映像記録することにより、モニタリングの精度向上と効率化を図ります。

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水中ライブカメラ

市販されている防犯用ネットワークカメラ専用の水中ハウジングを独自開発しました。
ネットワークカメラを遠隔操作することにより、離れたところから海の中をリアルタイムで観察でき、アングルやズームの調整も随時可能となります。
当社は、各種水中施設やその周辺に生息している生物の状況をリアルタイム映像で随時確認、または録画した映像を後日確認することにより、モニタリングの精度向上と効率化を図ります。

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計量魚群探知機を用いた藻場調査

当社では海藻の分布を把握する方法のひとつとして、計量魚群探知機を用いた藻場調査を実施しています。計量魚群探知機を応用し、以下のニーズにお応えします。

  • 海藻の分布を手軽に可視化したい
  • まずは藻場の全体像を把握したい
  • 雑海藻駆除などの結果を把握したい

魚群探知機は超音波を海中に発射し、海中の生物や海底にあたった反射音をとらえることで、生物や海底の位置関係がエコーグラムで表示されます。魚(魚群)の分布や水深を知るための道具ですが、海藻もとらえることができます(図1)。
一般の魚群探知機は、発射した超音波の反射をとらえて表示しますが、計量魚群探知機は、発射してから反射して戻ってくるまでの減衰などを補正して定量性を確保します。また、計測したデータを記録媒体に収録できる点で、一般の魚群探知機と異なります。収録したデータは専用の解析ソフトやGISなどで解析が可能です。

図1 アマモのエコーグラムの一例

藻場の分布を把握する方法は、計量魚群探知機のほか潜水、ドローン、航空測量などが用いられますが、どれも一長一短があります。潜水士による目視観察や枠取は、対象範囲の海藻の種類や組成などを詳細に把握することが可能ですが、広範囲の藻場の状況を把握するには、膨大な労力と時間がかかります。ドローンや航空測量は空中写真や航空測量などから海藻の分布を短期間で広範囲に調べることができますが、風や照り返し、雲量など調査時の天候の影響を受けてしまいます。また、潜水、ドローン、航空測量は、濁りが著しい透明度の悪い海域では調査が困難です。
計量魚群探知機を用いた調査は、海水の濁りの影響を受けないので、図3のような濁りのなかでも調査が可能です。海藻の有無だけでなく、鉛直方向の量(海底からの藻場の厚さ、海藻の高さ)もわかるため、海藻が多い・少ないなどの情報も知ることができます。また、海藻の反射の強さと海藻の量の関係が分かれば、調査した範囲内の海藻の現存量を推定することも可能です。量に関する情報は、海藻や海草が取り込んだ炭素の量などを把握するうえでも重要な情報で、脱炭素社会に向けて近年注目されているブルーカーボンを定量する際にも不可欠となります。

表1 調査手法別の特徴
メリット デメリット
計量魚群探知機
  • 比較的安価
  • 濁りの影響を受けない
  • 水深の深い所でも計測可能
  • 水深の浅い所では計測が困難
    (調査船が入れない)
  • 僅少種、小型種には適さない
潜水
  • 調査範囲のすべての詳細な把握が可能
  • 広域調査は費用、労力が膨大
ドローン
  • 比較的安価
  • 広範囲を効率よく把握可能
  • 濁りや天候(風、照り返し)の影響を受ける
  • 水深の深い所は困難
  • 僅少種、小型種には適さない
航空測量
  • 広範囲を効率よく把握可能
  • 濁りや天候(風、照り返し)の影響を受ける
  • 水深の深い所は困難
  • 僅少種、小型種には適さない
  • 高価
  • 大がかり
図2 計量魚群探知機で調査したコンブの分布の一例

図2は、実際に計量魚群探知機で調査した際のコンブの分布を示しています。東西約1.5㎞、南北約0.3kmの約45ヘクタールの範囲を測線間隔を約50mで調査しました。調査に要した時間は約2時間、解析に要した日数は約2日で、合計3日程度でコンブの分布を評価することができました。

計量魚群探知機を用いた調査は、このようにアマモやコンブなどの大型海藻の把握に適しており、他にもワカメ、ホンダワラ類など水産有用種でも評価が可能です。
但し、調査船に計量魚群探知機を搭載して調査するため、船が侵入できない水深が浅い箇所では調査ができず、調査船直下のデータを取得するため、船が通過しない測線と測線の間は解析による推測となるなど、十分とは言えない部分もあります。これらについては、潜水やドローンなどを併用することで補完して対応します。
近年、激しい海洋環境の変化により、藻場の分布も年々変化しています。これらの迅速な現況把握は、持続的な漁業活動、環境保全には欠かせません。
当社がこれまでに蓄積した藻場調査の技術によって、その場所に合った最適な評価を行います。

図3 調査状況(左:送受波器、右:演算器、モニタ、操作器など)